高齢者施設にて「食事」について悩んでいる方に向けて、高齢者の方の食事で気を付けるべきポイントを管理栄養士がご紹介します。
おいしく楽しく、安全に食事を楽しんでもらうために、今回の記事をご参考ください。
高齢者の食事の特徴
高齢者の方の食事には、いくつかの特徴と注意点があります。
・味覚が衰える
・噛む力が衰える
・飲み込む力が弱くなる
上記のように、高齢者の方の特徴として、身体能力の低下と共に、咀嚼力・嚥下力・唾液の分泌量が低下しするために、硬いものよりも柔らかいものを好みます。
味覚が衰えると味を感じにくくなるため、美味しさも感じにくくなり、食事がすすまず、食事量も減り、低栄養も招く場合があります。高齢者の方に食事を提供する際には、高齢者の方の食に関する特徴や注意点を考慮することが大切です。
高齢者の食事での注意点
噛みきれない
若い方では難なく噛みきれる食べ物でも、高齢者の方にとっては食べにくい食材となり、食べ物を噛みきれない場合があります。
また、食べ物を口に入れてもなかなか飲み込めない場合もあります。硬い食品や、繊維質な噛みきりにくい食品だけでなく、水分量の少ない食品も高齢者にとっては飲み込みにくい食品となります。
食べにくい食品の例として、下記があげられます。
食べにくい食品
食品の性質 | 料理・食品 |
硬い野菜 | きゅうり、キャベツ、レタス |
繊維が残る物 | ふき、ごぼう、タケノコ |
スポンジ状の物 | かんも、はんぺん |
弾力がある物 | こんにゃく |
噛みにくい物 | かまぼこ、ハム |
のどにつく物 | 海苔 |
むせたり、咳き込んだりする
高齢者の方は、食事中にむせたり咳き込んだり、ご自身の唾液でむせることもあります。食事中のむせこみや咳込みは、誤嚥性肺炎のリスクを高める要因となるので注意が必要です。
無理に食べさせようとせず、調理法を工夫してみましょう。
食事に時間がかかる
食事に時間がかかる場合は、何かしらの理由があります。
例として、苦手な食品であった、食べ難い食品であった、疾患があり食欲がわかないなどの理由が挙げられます。
なぜ食事に時間がかかっているのか、その原因を解消しましょう。
高齢者に不足しがちな栄養素
高齢者は、硬くてて噛み切りにくい食品を避けたり、手軽な食事が増え、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素が摂取できないため、高齢者が必要な栄養素が不足がちになります。
むしろ老人だからこそ、健康を維持するために、主食・主菜・副菜をバランスよく摂ることが大切です。
塩分の摂りすぎに注意!
高齢者の場合、塩分の摂りすぎに注意が必要です。
味覚が衰えることにより、濃い味付けを好むようになったり、旨みを感じやすいインスタント食品の摂取が増加するためです。
また、高齢者は手軽に食べられる、スーパーやコンビニエンスストアの食品を利用する傾向にありますが、塩分やカロリーがを過剰に摂取してしまうことがあります。塩分の過剰摂取は、高血圧や腎臓疾患などの病気を引き起こす原因になるので、十分に注意してください。
毎日の献立や調理方法を工夫して、食べる物、食べる量をコントロールしましょう。
高齢者が食べやすい食品
これまで高齢者の食事の特徴をお伝えしてきましたが、具体的に食べやすい食品と食べにくい食品をご紹介します。高齢者は、食べやすい食品の頻度が高く、栄養素が偏ってしまうので、食べにくい食品も取り入れながら、献立を考えてみてください。
食品の性質 | 料理・食品 |
おかゆ状の物 | おかゆ、パンがゆ |
乳化してるもの | ヨーグルト、飲むヨーグルト、アイスクリーム |
ポタージュ状の物 | ポタージュスープ、シチュー、カレー |
ミンチ状の物 | 肉団子、つくね、ハンバーグ |
ゼリー状の物 | ゼリー、水ようかん、煮こごり |
プリン状 | プリン、ムース、卵豆腐、茶碗蒸し(具が無いもの) |
高齢者の方の食事には、いくつもの注意点がありました。
そこで、次回は食事に取り入れたい食品や調理方法についてご紹介します。ぜひご参考ください。
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