この記事では、下記内容を6分で理解できます。
・こどもが癇癪をよくおこし心配なので、原因が知りたい人 ・すぐカッとなるこどもの癇癪と、その発達障害の関連について ・1歳(赤ちゃん)から~5歳までの、癇癪の傾向について説明 ・小学生以降の癇癪の傾向について説明(家にいるときだけ癇癪など) ・子どもの癇癪の対策について |
こんにちは。当園児発管のSです。
子供がおこなってしまう癇癪。どうして起こってしまうのでしょうか。
今回はこどもの癇癪について、原因と対策、そして自閉症や発達障害との関係性についてご紹介します。
それでは、早速本題に入りましょう。
こどもが癇癪をよくおこし心配(原因が知りたい)
こどもの癇癪とは
癇癪とは、ちょっとしたきっかけから
大声で泣き叫ぶなど、暴れたりなど、興奮しながら何かを行うことです。
・手足をバタつかせる。
・大声で叫ぶ。
・物や人にあたる。
など。
すぐカッとなる(癇癪を起こす)こどもの心情や原因
どのようなタイミングや原因から、子どもは癇癪を起してしまうのでしょうか。
要因は様々ございます。
特に中でも多いのは「目的を達成するための手段」として癇癪を起こすケースがあります。
年齢によっても傾向が変わってきます。
・空腹、眠気、痛み、オムツなどでの不快など。
・意思に沿わないことをするとき。
・自分の意見を主張するとき。
・困っているというサイン出しのため。
・不都合を取り除くため。
など、基本的には、困っていたり不都合ある時のサインのため、癇癪を起こす傾向があります。
年齢別については、順にご説明していきます。
すぐカッとなるこどもの癇癪と発達障害の関連について
癇癪と発達障害(ASD・ADHD)の関連性
癇癪を起こしやすいからといって、発達障害が必ずあるわけではございません。
しかし、発達障害のこどもによく見受けられる傾向がございます。
・感覚問題
・こだわりが強い
・意見を上手く伝えられない
・他人との意見を合わせるのが難しい
・気持ちが不安定
このような発達障害の関連の内容などから、癇癪に繋がっている可能性もございます。
発達障害のこどもによく見受けられる5傾向と、癇癪との関連性について
・感覚問題について
自閉スペクトラム症の子どもの場合、感覚過敏になっているケースが多々ございます。
他の子は気にならない場合でも、過剰反応し癇癪を起すことがございます。
・感覚問題について
ASDの子どもの場合、こだわりや不安の強さにより、イレギュラーなことがおこると(いつもしないことや、急遽の予定変更など)気持ちが追い付かず癇癪が起こってしまうこともあります。
・意見を上手く伝えられない
癇癪のおこしてしまう理由には、発達に関する不安定さが影響してる場合がございます。
知的発達症(知的障害)が併存の場合、言葉の発達全般に遅れが見られることがございます。
他身振り手振り等の言葉外表現も困難であるケースがあり、伝えられない苛立ちから、一つの手段として癇癪を起こしやすくなる場合がございます。
他にも決まり(予定)が変わることを嫌うこと(同一性保持)などから、癇癪が引き起こされるケースもございます。
・他人との意見を合わせるのが難しい
発達障害がある子どもの場合、意思疎通が難しいケースがございます。
他人と自分の意思調節が苦手で、相手の気持ちを把握し、譲れる(要求できる)というのを考えさせる必要がございます。
ASDの子どものケースですと、相手の気持ち・意図を理解することが難しいため、調節することができない場合がございます。他人のペースに合わせられないこともございます。
ADHD(注意欠如多動症)がある場合「○○をしたい」という想いを抑えられず、相手の気持ちが分かってても譲れないこと、感情が抑えられず爆発してしまうことがございます。
・気持ちが不安定
発達障害のある子どもは、衝動を自分でコントロールできない傾向があるので、不快な気持ちを直接自分自身で受け止めることになり、ストレスが溜まっていきます。
最終的には気持ちの調整が出来ず爆発し癇癪を起こすことがございます。
1歳(赤ちゃん)から~2歳~3歳まで 癇癪の傾向について説明
赤ちゃん(生後0∼11か月~1歳)の癇癪の傾向について
乳児期のタイミングでは、まだ不快な刺激等によって、癇癪が起こされる可能性がございます。
眠い時、お腹が空いた時、痛かった時、服が濡れた時などの困ったタイミングで、赤ちゃんは泣くことで伝えようとしてきます。
1歳~2歳の癇癪の傾向について
また、ミルクをあげたりといった生理的な不快を解消するために泣くことで、赤ちゃんはコミュニケーションを学びはじめます。そのため、赤ちゃんが泣いたり癇癪をすることはこの時期では必要なこととなります。
保護者は、この要求に応えてあげることが、重要となってきます。
また、1歳ほどとなると保護者のしたいこと・自分のしたいことの相違があることが分かりはじめます。
このころより、子どもは保護者の行為に対し嫌がる反応を示すケースが出てきます。
癇癪を起こすことで、嫌なことを回避したい。ということを伝えようとします。
この反応は、自分が意図をもった人間ということに、子ども自身が段々と気付いてきた成長の証になります。
2歳~3歳の癇癪の傾向について
2歳から3歳にもなると、言葉が入りはじめます。身振り手振りの他「いや」など。発言しながら自分の意見を表現し始めます。イヤイヤ期といわれる時期になっていきます。
周囲の人達と、言葉で意思疎通ができれば拒否や要求などを、表現して伝えて助けを求めることができます。
例としては、おもちゃを取り上げられ癇癪を起こした状況を考えてみます。
おもちゃを取り上げられた場合、自分の手元からおもちゃがなくなった。ことによる不都合です。
その状況が嫌なので、取り戻す手段として癇癪を起こすのが基本の流れです。
そのため、子どもが癇癪起こすのは、単に怒っていたり泣き叫んでいるという行動ではなく
「嫌な現実」から「望みを叶えるため」の目的を達成させるための、行動として捉えることが大切です。
今回の例で言うと、おもちゃを取り戻すこと”目的の達成”となります。
4歳~5歳~小学生以降の癇癪の傾向について説明(家にいるときだけ癇癪など)
癇癪は、赤ちゃん~幼児期~から、児童期までも見られます。
その後、思春期から大人になっても、ずっと続く場合もございます。
発達の状況や段階であったり、またケースなどにより原因は異なりますが、癇癪が起きるということは、その人自身が「不都合を取り除こうとしている」または「困っているという合図を出している」ということは、間違いないと考えても良いと思います。
家にいるときだけ癇癪をおこす場合
また、外では落ち着いているのに、家にいるときだけ癇癪をおこす場合はどう考えるべきでしょう。
子供が、癇癪を起こすことでどのようなことが困っているかを考えることが大切となってきます。
よく家にいるときだけ癇癪を起こす場合、外で頑張りすぎている反動から、癇癪を起こすケースがあります。
例としては、学校入学や新学期などの、新しい環境の中で、馴染んだり新しい交流の中で頑張ってしまいすぎたり、外ではいい子でいないと。と気を張りすぎていたりする反発が、家での癇癪に繋がっている可能性があると考えられます。
何事にも一生懸命なことは良いことの反面、家で癇癪を起こしてしまうのは、子どものキャパシティ以上に強いストレスを感じてしまっている可能性がございます。最終的には、学校などへ行きたがらなかったり、不登校などに繋がってしまう前に、早めの対応が必要になってきます。
他にも、保護者に甘えたい!という気持ちから、癇癪にを起こすことに繋がっているケースもございます。
保護者なら受け止めてくれる、わがままをしても聞いてくれるという、甘えと信頼からの癇癪でもございます。
また、真逆に愛情が不足していると感じる際も、癇癪を起こすケースもございます。
「愛されているのか?」 という心配から、癇癪やわざと保護者を困らせる行動に繋がるケースもございます。
中でも低学年までは、気持ちを言葉で上手に説明できないことがあり、そこから癇癪に繋がるケースもございます。まだやりたい。なぜわかってくれない。等の気持ちが伝えきれないとき、衝動的に癇癪を起こしてしまうことがあります。まだ感情のコントロールができないため、気持ちが伝えられない時、どうしたらいいのか分からないのです。モヤモヤから癇癪となって爆発してしまうことがあります。
他にも、学校でのトラブルから、自宅での癇癪につながっているケースもございます。
家だけで癇癪を起こすケースの子の大半は、学校では良い子でしっかりとしていたいと思っています。
保護者が思う以上、繊細でちょっとしたことで学校に不満を感じる場合がございます。
・休憩時間など、遊び方など、他にルールを守らない子がいる。言っても聞かない。 ・何度も同じことで先生などに注意されている子がいる。 |
他の人から見ると、そんなことでイライラしないでも。と思うようなケースでも、とても繊細で真面目なので許せない!と感じストレスが溜まってしまうことがあります。
子どもの癇癪の対策について(クールダウン方法について)
基本的には、癇癪に対しては大声で叱責することや、身体的に抑制させるだけでは、根本的解決には向かいません。癇癪への対応は、それが起こる前段階の環境調整に力を入れることが原則となります。
しかし、周到な対応をしていても癇癪が起きるケースがございます。
そのケースのために、クールダウン方法などを知っていれば対応しやすくなります。
癇癪に対してのクールダウンさせる方法としては、下記のようなものがあげられます。
子どもの話を共感してあげる(話を聞いてあげる)
まずは、子どもの話をしっかりと聞いてあげることから始めましょう。
その時は、否定したり話を遮ったりはせず、子どもの話を聞きながら今の気持ちを受け止めてあげることが大切です。頷きながら、「そうだよね。○○だよね。」と聞いてあげて、更に感情を吐き出させてあげましょう。
共感してあげることで、子どもに直接のアドバイス・方針を教えてあげることではなく、子どもの気持ちに寄り添って、不安感を取り除くことが目的となります。
安心感が増すことで、子どもの自己肯定感が高まり、癇癪が落ち着く可能性がございます。
子どもの感情を代わりに代弁する
子どもと話していて自分の感情を話してくれたら、その子どもの視点に立ち、代弁しあげることも一つの手法となります。
例としては
- 「〇〇さんの全てがいやというわけじゃなくて、約束を守らなかったのが許せなかったんだね」
- 「学校の授業が大変で、上手く解けなかったのが嫌だったんだね」
など、今の子どもの気持ちに沿った言葉で代弁してあげましょう。
代弁してあげることで子どもの感情整理ができたり、今の気持ちに合う言葉を、保護者の代弁を聞いて、学んでいくことで癇癪を起こしていた内容を、新しく覚えた言葉などを使って感情を伝えられるんだ。ということに気付きます。
子どもの表情であったり声の変化を常に観察する
いつもの子どもの表情・声のトーン・動きなどに変化はないかどうかを、常に見ていてあげましょう。
もし気づいたことがあったら、直接聞いてあげるのはもちろん、他にも先生などに、子どもの様子を伺ったりすることも良いかと思います。
表情や雰囲気が元気がない。と思ったときは子どもが癇癪が起こす前に、声をかけてあげましょう。保護者が自分のことに気づいてくれているという安心感を与えることができます。
また子どもが何かあった場合、話をすることによって、共有できたことにより、落ち着き感情の整理ができているかも、様子を見ながらチェック出来ればよいと思います。
上記のように、癇癪を起こす前に様子を観察し保護者が気づいてあげることが大切です。しっかり言葉で感情を話をさせることを繰り返し練習することで、感情の表現が出来るようになっていきます。
オープンクエスチョン(イエス・ノーで答えにくい、感情を引き出しやすい質問方法)
- そうだよね。それから?
- そうなんだね。それ以外にも辛いことはあった?
- それについて、もっと詳しく教えてくれると嬉しいな
- どうすれば、○○さんに伝わるかな?
保護者は共感するとともに、上のようなオープンクエスチョンを意識して話を聞いてあげることを、おすすめしています。
子どもの気持ちを引き出させて「癇癪を起こさなくても上手く気持ちが伝わるんだ」と、子どもに長期的に自信をつけてあげることが大切です。
子どもの安全の確保
また癇癪が起きたときは、暴れて子どもが怪我をしないよう危険なものを話したり、周りの安全確保を行いましょう。
頭を壁などにぶつけたりする癇癪の場合、緩衝材となるクッションを子どもの頭と緩衝材の間に挟み、怪我などを防いてあげましょう。
癇癪を起こしている場合、必要以上に子どもに干渉しない
また、ケースによっては癇癪を起こしている場合、必要以上に声掛けや注意したりしてかまいすぎることが、結果子どもの注目要求を悪い意味でかなえてしまったり更に興奮させてしまうケースもございます。
子どもの反応を見ながら、話を聞いてあげて、このケースに該当するな。という場合は(見極めが難しいかと思いますが)ほかのことに気を散らしたりしながら、子どもが落ち着くまで待ってあげましょう。
癇癪を起こして落ち着いたら落ち着いたことを褒める
子どもの癇癪が収まり、完全に冷静になったタイミングで、ちゃんと落ち着けたことを必ず褒めてあげるようにしましょう。褒められると子どもは安心し気分を落ち着けるための方法を学びます。今後の予防にもつながっていくと思います。
時間が経過してからの場合、癇癪を起こす→落ち着いた。という一連の流れを理解できずに忘れていってしまうので、落ち着いたらすぐその場で、褒めてあげましょう。
子どもの癇癪・すぐカッとなる子供の発達障害との関連・特長・対策について まとめ
このように子どもの癇癪についての原因対策は、多様な方法がございます。
年齢から、環境によっても大きく原因や対策は変化してくると思いますが、基本的には子どもの話をよく聞いてあげて、原因を共感することなど、その子の特徴を観察しながら傾向と対策を考えてあげる必要がございます。
また、「宮城県仙台市の放課後等デイサービスの選び方」や「発達障害の不安を感じた際のチェックリスト」などの記事もございますので、ご参考にしていただければと思います!
お子さまのことでお悩みがある場合、ちょっとしたご相談などでも、お気軽にお問い合わせください。
杜のつぐみ療育園では
・コミュニケーションが苦手な子 ・行動コントロールが苦手な子 ・気持ちのコントロールが苦手な子 ・変化に敏感な子 ・注意散漫になりやすい子 |
上記のお子様に対し、見守るだけではなく
・楽しくお話できたら、「楽しくお話できたね。」 ・おもちゃを貸してくれたら「貸してくれて優しいね。」 |
等々、話をする中で「自己肯定感」が高くなる様な、接し方を意識しております。
また、お子様それぞれの特性に合わせた、課題を考え計画に沿っての支援を行っております。 まずはちょっとしたことでも、お気軽にお問い合わせください!
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