不登校から前向きになるために出来ること
前回は不登校のお子さんが前向きになる声掛けとNGな声掛けについて解説してきましたが、今回は不登校から前向きになるために出来ることを解説していきます。
具体的には、次のような考えや環境が必要です。
① 親御さん自身が現状を受け入れていること ② お子さんを第一に考えること ③ 親御さんが学校と連携できていること ④家庭が再登校に向けた環境が整っていること |
それぞれ解説していきます。
①親御さん自身が現状を受け入れていること
前向きになるために必要なことの一つ目は、親御さん自身が『お子さんが不登校になっている』という現状を受け入れていることです。
お子さんを無理やり学校に連れて行こうとして、不登校を悪化させてしまったという経験はありませんか?
不登校を乗り越えるためには、親とその子本人との間で、現状を受け入れて向き合い、どのように改善していくのかを考えることが大切です。
②お子さんを第一に考えること
続いての大切なことは、お子さんを第一に考えることです。
以前もお伝えしましたが、お子さんが再登校するためには、自己肯定感を高めて「やればできる」という状態を作り上げていくことが大切です。そのためにも、お子さんの可能性を親御さんが認め、信頼することが重要です。
最初はできなくても大丈夫です。「きっとできる!」と、何度でも親御さん自身がその子を信じて、一番の応援者になってあげてください。
③親御さんが学校と連携できていること
現在不登校中あるいは予備軍だとしても、親御さんと学校とで連携はできているでしょうか。
・学校の行事をきちんと知っている ・お子さんから聞かれた時に伝えられる |
この2つが出来ていれば、学校と連携できている状態です。しかし、不登校中のお子さんは学校の情報を苦手に感じる子が多い傾向がありますので、行事を知っていたとしても、お子さんから聞かれるまでは口に出さないほうが良いでしょう。
提出物で必要なものなどがある場合や、お子さんから聞かれた時は、情報共有しましょう。
④家庭に再登校に向けた環境が整っていること
最後に大切なことは、再登校に向けた家庭環境が整っていることです。
次の3つを参考にしてみてください。
学習環境
学習ができる環境は整っていますか?不登校のお子さんは学習に遅れがあるなど、何らかの学習障害を抱えている場合があります。不登校の生徒対応への通塾や家庭教師、オンライン学習など、十分に学習サポートを受けられる環境を整えましょう。
家族同士の距離感が近い
家族間の中はどうでしょうか。会話がない、いつも口論になってしまうなど、十分にコミュニケーションが取れない状況であれば、もう一度踏みとどまってみましょう。
再登校後、何か嫌なことがあったとしても、家庭が受け入れてくれる、安心できる場所になっているのであれば大丈夫です。
相談できる場所がある
お子さんはもちろん、親御さんが相談できる場所も用意しておきましょう。相談できる場所がなく、悩みを抱え込んでしまっては、不登校の再発原因になってしまいます。お子さんが親御さんに相談しにくい内容でも聞いてくれる場所、親御さんが心身の負担が軽くなれる相談先など、ご家庭内だけで解決するのではなく、助けを求められる相談先を用意しておきましょう。
不登校中にNGな行動とは?
前向きになるために必要なことを解説してきましたが、次はNGな面にも触れてみましょう。ご家庭でやってしまいがちな、不登校中の子へのNGなことを解説していきます。
①学校の情報を共有してしまう ②学校に行くかないことを問い詰めてしまう |
①学校の情報を共有してしまう
お子さんに学校のことを聞かれた場合は、情報共有することは前向きなことへ繋がりますが、学校にいけない中、学校の情報を親御さんが一方的に伝えてしまうと、逆効果の声掛けになってしまいます。なんとか学校に行ってもらいたいという思いから学校の話題を提供しても、不登校の子は真逆の感情で受け取ってしまいます。
重要なのは、親御さんから学校の情報を共有するのではなく、お子さんの方から「最近、学校ってどうかなぁ?」と聞かれた時だけ、情報を共有することです。誰しも興味のある情報を知ると嬉しくなりますが、嫌な情報を聞かされれば、拒絶するのは当然の反応です。
「定期テストっていつかな?」「運動会はいつだっけ?」などと聞かれた時はお子さんが学校へ興味を持ち始めている証拠です。きちんと答えられるように、情報更新をしておきましょう。
②色々と問い詰めてしまう
「なんで学校に行かないの?」
「どうして学校に行かなくなったの?」
「なんで?」「どうして?」とお子さんを問い詰めてはいませんか?
実はこの質問責め、お子さんに対してプレッシャーがかかる声掛けです。
プレッシャー=ストレスなのは大人も子どもも同じです。他にも「なんで宿題ができないの?」「どうして忘れ物をするの?」と詰問(きつもん)され、強制的な圧力によってお子さんが動いた場合、その行動は恐怖に変わります。
人間は嫌なことからは逃げたいものです。恐怖感や嫌悪感が悪循環となり、不登校中のお子さんはどんどん無気力になってしまい、再登校への道はさらに遠ざかってしまいます。
不登校のお子さんが前向きになるために。
いかがでしたでしょうか。今回は「不登校から前向きになるために出来ること」に加えて、家庭でやりがちな「不登校中にNGな行動」を解説しました。
お子さんの今の不登校段階を見極めて、ぜひご家庭でも実践してみてください。
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