夏休み明けは不登校になりやすい?
不登校になりやすいタイミングのひとつとして知られているのが、夏休みなどの長期休暇明けです。
誰しも休み明けは憂鬱になりがちですが、長期休暇明けに不登校になってしまう原因には、主に次のようなものが考えられます。長期休暇明けでも登校できるように対策を解説していきます。
① 学校生活に息切れをして、疲れを十分に回復しきれていない ② 休み中に学校生活の大変さを自覚してしまう ③ 生活のリズムを学校生活のリズムに戻せない |
①学校生活に息切れをして、疲れを十分に回復しきれていない
学校がある間は、体力的・精神的にもなんとかがんばってきたものの、休み中にすっかり気が抜けてしまい、緊張の糸が途切れると、登校できなくなる場合があります。
夏休みを前向きな気持ちで過ごし、リフレッシュできれば、エネルギーが回復してまた学校に行けるでしょう。ただし、強いストレスや疲れをずっとためてきた人は、夏休み期間中で学校に戻れる心身の体力を充足しきれないことがあります。
②休み中に学校生活の大変さを自覚してしまう
一生懸命がんばって学校に通っているお子さんの中には、自分のストレスや疲れに気づいていないという場合があります。学校を離れて初めて、自身のストレスを自覚して、ストレスの原因となる学校へは行きたくなくなり、不登校になる場合があります。
③生活のリズムを学校生活のリズムに戻せない
夏休み中は、一日の大半を占める学校生活がなくなり、生活リズムが大きく変わります。
乱れた生活リズムを直すには、相当なエネルギーが必要です。特に、エネルギーが不足しているようなお子さんは、生活リズムを学校生活のリズムに戻すことが難しく、不安から夜に眠れない、眠れないから朝に起きられない。といった状態になり、登校できなくなる場合があります。
また、ゲームやSNSなどの趣味に没頭してしまい、昼夜逆転になりがちです。塾の夏期講習などを活用して、定期的に学べる環境を整え、生活リズムを維持できるよう家庭で工夫してみましょう。
休み中・休み明けにに見られる不登校のサインに注意しよう!
夏休み明けに不登校になってしまう場合のお子さんには、共通の兆候やサインを見せる場合があります。親御さんは注意して観察してみましょう。
【夏休み中】ゲームなどの趣味に没頭して外出を嫌がる
外出したり、人に会ったりするのを嫌がるのは、体力的・精神的に疲れていて、活動するエネルギーが残っていない場合があります。
また、家の中でゲームや動画に没頭している場合は、現実逃避したいことがあるために、それらに依存してしまっている可能性があります。
外出を控えているせいで、外出する体力、気力が消耗してそのまま家の中での生活が長引いてしまう場合があります。外出する機会を積極的に増やしましょう。
【夏休み中】生活リズムが乱れている
前述した通り、ゲームなどへの依存から、昼夜逆転など、生活リズムが乱れることがあります。
・親子で一緒にルールを決める ・親子で一緒に決めたルールに取り組む |
など、親御さん自身も一緒に頑張る姿勢を見せることは、親子の信頼関係にも繋がります。
何かルールを決めるときは、強制ではなく共に考え、共に行動しましょう。
宿題をギリギリになってもやりたがらない
単に勉強が面倒なのではなく、学校への抵抗感から、宿題をやっていない可能性や、勉強が本当にわからない場合があります。
宿題をやっていない罪悪感から登校を渋ってしまったり、面倒なだけではなく、学習障害などを抱えている可能性もあります。学習問題を早期解決できるよう、学校の先生や学習塾、医療機関に相談するなどして不登校にならないように努めましょう。
【夏休明け】心身の不調
朝起きられない、登校時間が近づくと、ストレス反応から腹痛や頭痛を訴えるようになることがあります。中には、夏休み明けの学校生活を想像して、夏休み中から食欲が減退したり、元気がなくなったりする場合もあります。
病気を抱えている場合もありますので、心身の不調を訴えた場合は、医療機関を受診しましょう。
【夏休明け】生活リズムが戻らない
学校が始まってもなかなか生活リズムを戻せず、夜更かしをしていたり、朝起きられなくなったりしているのは、学校へ行きたくない想いの現れである場合があります。
・夏休み期間中から大きく生活を乱さない ・定期的な外出を実行する |
など、乱れた生活を放置しないことが大切です。
家族や人と関わろうとしない
本当は学校に行かなくてはいけないという自覚は、不登校の子はきちんと持っています。
罪悪感や自己嫌悪から、学校に行けない本当の理由や想いを人に話すことが出来ずに、自分の中に感情を閉じ込めてしまい、家族や人と関わりたくないと距離を置いてしまう場合があります。
どんな言葉でも冷静に受け止めて、歩み寄る努力を惜しまずに継続しましょう。
夏休み明けに保護者ができる4つの対策
不登校のサインが見られた場合に、親御さんはどのような対応をするのが良いか、サインによって対応策をご紹介します。
心身の不調を訴えたら、まずは医療機関へ
心身の不調はストレス反応の可能性もありますが、ほかの病気が原因である可能性もゼロではありません。まずは医療機関で診てもらい、原因を特定しましょう。
疾患は無いと診断されても、無理に登校を促したりするのはやめましょう。ストレスが原因であることを踏まえて、次にご紹介する対処を実行してみてください。
お子さんをよく観察して、お子さんの心に寄り添う
「なぜ」、「どうして」この2つのワードは親御さんが持ち出してしまいやすい言葉です。
いくら問われても、お子さんは自分から話してくれないでしょう。焦らず、お子さんの普段の様子をよく観察し、ちょっとした言葉にも注意して耳を傾けてみましょう。
具体的には
・無理して登校しようとしてはいないか ・学校生活や日常生活でがんばりすぎていないか ・つらいこと、嫌だと感じていることを我慢していないか |
などの点に注意してみてください。
不登校になりそうな原因やきっかけが少しでもわかれば、さらに次の対処も見えやすくなります。
生活リズムに干渉しすぎたり、登校を無理強いするなど、過度な干渉や無理強いは逆効果です。ますますプレッシャーやストレスを感じて、学校に行きづらくなってしまいます。叱ったり、無理に矯正しようとするのではなく「少しずつでも生活リズムが改善されればいいかな」くらいの気持ちで見守るのがよいでしょう。
また、本人が「学校を休みたい」といってきたら、休ませてあげましょう。夏休み明けの登校に対して、まだ心の準備ができておらず、もう少しだけ時間がほしい可能性があります。1~2日休ませると、学校に行けるようになることもあります。
それでは最後に夏休み明けの登校へ向けてできることをまとめてみましょう。
夏休み明けの登校に向けて
・不規則な生活を見逃しすぎない ・行き渋りや不登校の原因・理由は追求しない ・絶対に再登校させようと焦らない ・親子の信頼関係を深める ・親御さんも自分自身の時間を楽しむ |
夏休みという長期間を利用して、不登校のお子さんの自己肯定感を高める期間にしましょう。
私たちのサイトでは、お子さんと親御さんに役立つ、『勉強』『学校生活』『教育』などの様々な情報を取り扱っています。『不登校』『発達障害』の記事も沢山あるので、興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
長引きそうなら、学校に相談しましょう
夏休み明けからしばらく経っても、本人の調子があまりよくなく、本格的に不登校になりそうな場合は、学校担任、保健室の先生、スクールカウンセラーなどに相談しましょう。外部機関の紹介も含めて、今後の対処法を一緒に考えてくれるはずです。
また、スクールIE吉成校の不登校サポートコースでは、不登校中の学習に関するご相談が無料です。少しでも不安があるならスクールIE吉成校、不登校サポートコースへ皆様の声をお聞かせください。
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