杜のつぐみ療育園 ブログ

【独り言が多い子どもは病気?アスペルガーとの関連は?】子供が声を出し続けるのは自閉症?【発達障害・adhd・奇声・うるさい時の対応】

    この記事は4分で、下記の内容を理解できます。

    ・子どもに独り言が多い理由について
    ・独り言が多い子どもと発達障害(adhd、アスペルガー、自閉症)との関連を解説
    ・子供が声を出し続けてうるさい時の対応の方法について

    子どもが声を出し続けることは、発達障害や自閉症のサインなのでしょうか。
    この記事では、独り言が多い子供には発達障害が多いかどうかの関連についてや、その対処方法について探ります。
    では、早速解説していきます!

    子どもに独り言が多い理由について

    子どもの「独り言」が多い理由について

    子どもが口にする「独り言」に耳を傾けると、彼らの言葉や思考はまだ発達途中であり、考えと行動が同時進行しています。子どもは自分の頭の中を整理するために話し続けます。
    言葉に出すことで、自分の考えを整理し、言葉を理解しようとするのです。そこから成長に繋がっています。

    独り言は子どもが、頭をフル回転させて考えているタイミングなので、言葉にしたいことを思い浮かべ、口に出していますが、それは練習のようなものになります。
    そのため子どもたちは自分の考えを言葉にできるかどうかを試みながら、無意識に「しゃべれるかな?」と挑戦しているのです。

    子どもは自分の考えを言葉で表現できたとき、自信だったり経験に繋がっていきます。
    そのため、保護者が「やめなさい」とか「静かにして」などの言葉を使って、子どもが独り言を言うのを止めるのはあまりよくない、というのが通例です。
    そうすると、子どもの言語発達の成長を妨げることに繋がってしまいます。
    子どもが独り言を楽しんでいるときは、他の人に迷惑にならなければ見守ってあげましょう。

    「独り言」は思考のための言語

    1930年代に活躍した発達心理学者のヴィゴツキーは、人間の発話を「内言」と「外言」の2つに分類しました。
    内言は音声のない「思考のための言語」であり、外言は「音声がある伝達の道具としての言語」です。

    ヴィゴツキーは言語の発達は「外言から内言へ」と移行していくと主張しています。
    彼によれば、「内言の分化は、幼児期に始まり、この分化が不十分な段階では、思考に外的な発声が伴ってしまい、この不完全な内言が幼児期の独り言である」と考えられます。
    言語がコミュニケーションから思考へと変化する過程で、幼児が言葉を内面で使うようになる発達プロセスが必ず生じるのです。

    独り言が多い子どもと発達障害(adhd、アスペルガー、自閉症)との関連を解説

    発達障害を持つ子どもが「独り言」をよく口にすることは、決して珍しいことではありません。
    そこで、今回は代表的な3つのケースを通じ、その原因と関連についてご紹介していきます。

    ① 自分自身を安心させるための発声

    自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性を持つ子どもたちは、特定の言葉やフレーズを反復して口にすることで、安心感を得たり、心地よさを感じたりすることがあります。
    新しい環境や多くの人がいる場所での不安やストレスから逃れるために、自分を落ち着かせるための行動として、このような「独り言」が発生することがあります。
    また、同じ言葉を繰り返し発するのは、こだわりの特性から生じる場合もあります。

    ② 音や情報に反射的に反応する発声

    ASDの特性を持つ子どもたちは、耳や目から入ってくる情報に対して、頭の中に浮かんできた言葉を反射的に発することがあります。
    アナウンスや会話、テレビの音など、外部からの刺激に対して、思考を口に出すことで対処しようとする傾向が見られます。

    ③ 頭の中の整理のための発声

    発達障害を持たない人でも、作業に集中しているときに独り言が出ることはよくあります。買い物リストを作るときや料理をしているときに、自分の考えを声に出す経験をしたことがあるでしょう。
    情報を思い出したり手順を確認したりするときに、無意識に声に出すことで頭の中の情報を整理しようとするのです。

    発達障害の特性によって「静かにすべき場所でも声を出してしまう」「声量のコントロールが苦手」といった課題がある場合、独り言が目立つことがあります。

    また、上記が当てはまるからといって、必ず発達に問題があるかどうかは判断できません。子どもはそれぞれ成長速度が異なるため、断定はとても難しいものになります。あまりに気になってしまう場合は下記で紹介している相談先へご相談してみて下さい。

    子供が声を出し続けてうるさい時の対処方法について

    子供が声を出し続ける行動に困っている時の対処方法を、ご紹介します。
    子供の年齢や発達段階、声を出し続ける原因によって、効果的な方法は多少異なりますが、まずは以下の3つの方法や、子どもに響く褒め方などを、試してみましょう。

    ① 声のボリュームの調整を一緒に練習する

    ASDの特性には「あいまいな表現が苦手」という特性がございます。そのため、声のボリュームを子ども自身が理解しにくい、していない場合があるので「少し静かにしようね」といった抽象的な指示ではなく、具体的な内容を用いて声のボリュームを教えることが大切です。

    【声のボリュームを使った練習】
    下記のように、レベルを言葉で説明して、練習をしてみましょう。

    ⓪:心の中で声を出さない
    ①:ひそひそ声
    ②:小さな声
    ③:普通の声
    ④:大きな声
    ⑤:叫ぶ声

    この練習では、子供が大きな声を出さずに声のボリュームをコントロールできるようになるために、段階的に練習を進めます。
    上記を説明して、印象付けてあげながら、子供にどのくらいの声がそうなのかを、理解させることが重要です。
    また、声のボリュームの練習をする際には、クイズ形式や場面設定を使って子供が実際に声を出す状況で、使い分けをさせてあげると効果的です。
    これにより、子供は静かにする場面や声を出す場面を、「ここはひそひそ声の場所だね」と、説明することで、区別することができるようになります。

    ② 子どもの「独り言」の許容範囲を、ルール化する

    ASDの特性である「場の空気を読むのが苦手」を持つ子供にとって、事前にルールを決めるてあげることで、理解ができるようになっていきます。
    「独り言」を我慢する場所と、独り言を言っても大丈夫な場所を明確にするルールを作って、都度教えてあげることが大切になってきます。

    独り言を我慢する場所

    • 図書館
    • 公共交通機関
    • 学校の授業中
    • ゲームセンター
    • 校庭

    独り言を言っても大丈夫な場所

    • 自分の部屋
    • 人のいない個室(トイレや休憩室)

    これらのルールを事前に決めておくことで、子供はどのような状況で独り言をすることが許され、どのような状況で控える必要があるかを理解しやすくなります。

    ③ 「独り言」を我慢できた場面を振り返る

    以前に独り言を我慢できたことを振り返って、その状況や環境を振り返らせることで、子供に声を出し続ける行動をコントロールするように学ばせます。子供が安心して声を出し続ける場面や、不安やストレスが少ない状況を作ることで、声を出す行動を改善していくケースがございます。

    子供の声を出し続ける行動には様々な理由がありますが、子供の個々の特性であったり、状況に合わせアプローチし、特性に合わせた工夫をすることが大切になってきます。
    子供が独り言を我慢できた瞬間に、何故我慢できたかの理由を掴んで、我慢できた時は褒めてあげることが、声を出し続ける行動を改善するための第一歩となります。

    独り言を我慢できた時の子どもの褒め方のコツ

    子供が独り言を話し続けるのを我慢したり、適切な声の大きさで話したりできたときには、しっかりと褒めることが重要です。特にその褒めるタイミングはとても重要になってきます。

    声の大きさをコントロールする際には、静かであることや大きな声を出さないことを持続させることが大事になってきます。
    一方、「順番を守れた」「歯磨きができたね」などの1つできたことに対し褒める場合とは異なり、良い状態を持続させてほしい場合には、その状態が継続している時に褒めてあげる必要があります。

    例えば、「おしゃべりは、病院では「ひそひそ声 」で話そうね」というルールを決めている場合、子供が適切な行動を取った時、つまり静かであることが良い状態である場合には、「静かにできててえらいね!」と褒めます。
    その後もその状態を維持するように、何度か「今も続けて静かにできているね」「すごいね!ルールを守れているね」といった声をかけます。
    これにより、子供には良い状態を持続することが良いことであると理解してもらえます。

    子供が声を出し続ける場合の、心配なときの受診先について

    適切な対応を見極めるためには専門家への相談も検討が必要

    子供の独り言が長時間続く場合、発達障害が関与している可能性があります。
    一般的なアプローチは、「独り言をやめさせない」という考え方が主流ではございますが、将来の自立を見据えると、適切な場面での適切な行動が求められます。

    そのため、子供それぞれに「できる範囲」がありますが、社会的な行動を身につけることは、成長に欠かせません。
    成長のペースや方法は個々に異なるので、素人での判断は難しいのが実情です。
    保護者の中には、どう伝えればよいか分からない、または子供が傷つくのではないかと心配する方もいますので、子どもへの伝え方のやり方も含めて、相談をしていく必要があると思っております。

    地域の療育センターや発達障害者支援センター、または児童精神科のある小児科などが相談先として適切です。
    わからないことや不安な点がある場合は、当園でも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
    杜のつぐみ療育園では、こういった時に必要なサポート方法などの情報提供を行っております。

    相談先について

    ・地域の療育センター
    ・発達障害者支援センター
    ・児童精神科のある小児科

    他にも、何か不明な点等ございましたら、まずは下記よりお気軽に当園までお問い合わせください。

    また、「宮城県仙台市の放課後等デイサービスの選び方」や「発達障害の不安を感じた際のチェックリスト」などの記事もございますので、ご参考にしていただければと思います!


    お子さまのことでお悩みがある場合、ちょっとしたご相談などでも、お気軽にお問い合わせください。
    杜のつぐみ療育園では

    ・コミュニケーションが苦手な子
    ・行動コントロールが苦手な子
    ・気持ちのコントロールが苦手な子
    ・変化に敏感な子
    ・注意散漫になりやすい子

    上記のお子様に対し、見守るだけではなく

    ・楽しくお話できたら、「楽しくお話できたね。」
    ・おもちゃを貸してくれたら「貸してくれて優しいね。」

    等々、話をする中で「自己肯定感」が高くなる様な、接し方を意識しております。
    また、お子様それぞれの特性に合わせた、課題を考え計画に沿っての支援を行っております。 まずはちょっとしたことでも、お気軽にお問い合わせください!

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    発達相談に関するお悩み等ついて、どんな内容でも福祉のプロがお聞きいたしますので、まずはお気軽にご連絡ください!

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